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TRPGプレイヤーのレンgaです!
@rengatrpg
物語を面白くするのは、登場人物(PC達)を縛るカセです。
カセによる葛藤が、シナリオをドラマチックにします。
枷(カセ)
1.
Wikipedia
罪人の首や手足にはめて自由を束縛する、昔の刑具。転じて、人の行動を束縛する邪魔物。
「首―」
代表的なのが、システムギミックにもなっている“秘密”など。
タイムリミットも、時間的なカセといえますね。
シナリオ作成の手助けに、13種類のカセを紹介していきます!
- シナリオ制作に詰まっている人
- シナリオのクライマックスから考える人
- NPCにアクセントを持たせたい人
- シナリオの導入を考えている人
- シナリオらしさ、シナリオの色を出したい人
- 魅力的なトレーラーが書きたい人
時間的なカセ
タイムリミット
時間的な制約というのは古今東西様々なシナリオで活躍しているカセになるのでは無いでしょうか。何時までにしなければいけないというカセがあることで、それまでに物語を動かさないと行けないという考えになるので、自然とシナリオは進行されます。
PL側からみても、タイムリミットがあるのはシナリオを楽しむ上でわかりやすい一つのポイントになります。『●●時までに何かを成功しないといけない』『後○時間でこの密室から出ないといけない』など、明確な目的になります。
そしてこのタイムリミットが持つ強い制約がよく使われる理由の一つに、普段の日常の中で誰もがこの時間的なカセに悩まされているため、現実味があると言うことがあげられるでしょう。
出勤時間、登校時間、課題の提出期限、30歳までには結婚したいと言う気持ちもタイムリミットでしょう。そういった身近に感じたことのある制約は感情移入がしやすいためオススメです。
秘密のカセ
秘密というのは非常に強いカセです。
特にTRPGには個別ハンドアウト(HO)の存在があるので、もっとも多くのカセを生み出し、シナリオの中でとても大きな感情の動きを生み出すことが出来るでしょう。
もともと秘密システムがあるインセインやシノビガミはもちろんのこと、個別のHOを用意した別システムをもちいたシナリオを執筆するとき、この秘密がどういったカセになるのかを作者が理解することで、よりドラマチックな展開を用意することが可能になります。
一言に秘密といっても、多くの種類や、特別なパターンなどが存在します。
様々な種類があるので、それぞれ紹介していきます。
01.その人自身の秘密
PC・NPC含め、個人が持っている秘密は物語を彩るアクセントになります。
重要なところで明らかになったり、もしくはそれを悟られないようにすることを目的に、シナリオを書いてみましょう。
- 出生
- 過去
- 身分
- 結社に入っていること
- 職業
- 病気
- 家族関係
- くせ
- 不名誉なこと
- 知らないこと
- 年齢
02.人間関係の秘密
関係性の秘密はさまざまな物をこじらせてくれますよね!
- 家族関係
- 恋愛関係
- 社会的地位
- 肉親関係
- かくし妻・かくし子
03.物の秘密
何かを壊してしまって、それを隠すとか、見つかってはいけない物をかくしてやり過ごすなど……
シナリオの本筋になるかはアイデア次第ですが、シーンの中でのアクセントにするにはちょうど良い感じのカセですね。
- お金が無い・お金持ちである
- 借金
- へそくり
- 壊してしまった
- 盗ってしまった
- かくす
- 落とし穴(罠)
- 宝物・密書
04.場所の秘密
- いる場所(誘拐されている場所・追われている者)
- 隠し場所
05.状況の秘密
- 家族事情の秘密
- 社会の事情の秘密
- 戦況などの秘密
- 外界との不連絡
06.行動の秘密
- 作戦の場合
- 犯人の場合
- 浮気などの場合
- 探偵・警察官の場合
- スパイ・忍者の場合
- 隠密行動(恋人)
07.計画上の秘密
- 業務計画上の秘密
- 仇討ち・復讐などの秘密
- 喜ばせるための計画の秘密(サプライズ)
- 作戦の秘密
- 陰謀の秘密
- 詐欺の秘密
08.善意の秘密
- 突然の喜びのための秘密
- 相手を傷つけないための秘密
- 病気などを告げない秘密
- 他から悪いうわさ話を聞かせたくないための秘密
- 善意をもって財産などの秘密
09.他愛ない秘密
- 当人が秘密だと思っている秘密
- 恥になると思っている秘密
- 知らない秘密
- ごまかすための秘密
- 言いそびれたための秘密
10.肉体の秘密
- その人自身の秘密
- 病気
- くせ
場所のカセ
特定の場所でなければ行けないもの
つまりどういう事かというと、簡単に言えばシナリオのタイトルが「世田谷邪神ランド」であれば、世田谷から出れないよね、見たいな感じのカセです。
ターザンで言う密林というカセ、ローマの休日はローマでないといけない、という特定の場所で無ければいけない!というメタ的なカセですね。
固有の場所で無いもの
こちらはわかりやすいと思います。
密室から出ないけど出れない、といった密室モノの王道パターンですね。
もちろん、クトゥルフ神話TRPGでよく使われる密室系のカセ以外にも、交通麻痺の街から出ないと行けないとか、ソードワールド2.5のシステムであれば敵軍に包囲されたところからどうやって抜け出すかを試行錯誤するのもドラマになります。
結構汎用性が高く、その密室にする場所をアレンジすればシナリオの色になりそうなカセの種類のように思えます。うまく活用してください!
- 密室
- 袋小路
- 敵軍に包囲されたところ
- でこぼこ道
- 交通麻痺の街
- 足の出ない飛行機
- 占領された場所(ハイジャック・海賊など)
- 離れた土地と土地
- 橋・プラットフォーム
- その他
人間関係のカセ
NPCとPCとの関係から、シナリオのアクセントを作り出すカセですね。
PC同士にもこうしたカセを用意して、HOなどで葛藤を生ませるのも面白いかもしれません。そういった人間関係のカセは、ロールプレイもはかどりますし、意識してシナリオに組み込ませるのはとても有効な手立てだと思います。
教師と生徒の恋愛とか、人間関係のカセでとてもわかりやすい例ですね。
- 親と子
- 兄弟(姉妹・兄妹・姉弟)
- 叔父と甥
- 無医村の医者と村人
- 医者と患者
- 教師と生徒
- 上役と下役
- 人間と動物
- 親友
- 同業者同士
- 近所同士
- 国民同士
- 宗教
- 弁護士と容疑者
- 商売人と買い手
- 世論
- 仇同士(ライバル)
- 大人と子供
- タレントとファン
- 刑事と犯人
内心のカセ
01.してはいけないと思うとき
「この箱は絶対に開けてはいけない」と言うような、絶対にしてはいけないけどしたい!
という状況を作ると、それが葛藤になりますね。
「本当に大事なとき以外は使ってはいけない道具」とかも、今が本当にその時なのか、という問いとの葛藤になるので、重要なアイテムや、状況からこうしたカセを嵌めるのは面白いと思います。
02.しなくてはならないとき
01.とは逆に、「しなくてはいけない」と言うのも大きなカセになります。
今日中に何かをしないといけない、というモノから、密室系で最近話題の「○○しないと出れない部屋」というのも、このカセに当てはまりますね。
クトゥルフ神話TRPGなどのホラーシステム、ホラーシナリオではこの制約がとても有効活用出来ます。怖いからやりたくないけど、これをしないといけない、見たいな葛藤を探索者に与えることが出来れば、それがまさにホラーの感情になるのです。
怖いな、恐ろしいな、と感じさせるためには、『しないといけないけどやりたくないこと』を際立たせると良いかもしれません。
誤解のカセ
01.信頼が失われたとき
失敗してしまった。
NPCとの信頼が失われてしまったとき、それをどうにかしようとしますよね。
そこにまさにドラマが生まれるのです。
02.コミュニケーションの悪いとき
相手が外国人、もしくは異世界人や宇宙人であり
言語が通じずにコミュニケーションが取れずに大事になってしまったとき
どうにかして会話するための手立てを考えますね。
それが物語のアクセントになったり、事の発端になったりと様々なところで役に立つと思います。
03.無知なとき
社会的つながりのあるカセ
社会的つながりは様々なカセの元になります。
特に法律や、因習、はたまた宗教なんて言うのは、とても大きなカセですよね。
シナリオを書く中で、社会的なシナリオ……ちょっと知的な感じのシナリオが書きたいなと思ったら、こうした社会的なつながりにおいてのカセを一番大きな問題にしてみると良いかもしれません。
これをしたら手っ取り早くシナリオの目的を果たすことが出来るけど、村の慣習からこれは禁忌になっているから出来ない。もしくはそれをすると大事になってしまう、とか。
法律を持ち出して、第何条なになに~みたいなのをデータのエッセンスに入れてみると、他のシナリオと一線置いた色のあるシナリオになるかもしれませんね!
- 仕事
- 社会的ヒューマニズム
- 社会的圧力
- 法律
- 因習(村八分など)
- 一般的民衆の考え方(閉鎖的)
- 宗教
約束事によるカセ
約束って、守らないと行けませんよね!
それももちろん、大きな物語の葛藤を生み出すカセになります。
約束を守るために、何かをなさないと行けないとか、熱いじゃ無いですか。
大切な人の遺言を果たすために、仲間うちの規律をまもるために、契約をしてしまったから、それを果たさないと行けない……など、様々なスタイルの約束が、それぞれ個性のあるカセにとなって、シナリオを盛り上げてくれることでしょう。
- 約束
- デート
- 遺言
- いったん承知してしまったもの
- 掟(仲間うちの規律)
- 規則
- 契約
- 習慣
- 作業
- 職業に就く
物に関するカセ
「貴重なダイアモンドを運んで欲しい」「刺激を与えると爆発するモノを運んで欲しい」など、貴重なモノや危険なモノを渡されるとドキドキしますよね。
ATMから大金を下ろして家に帰るまでドキドキするのと同じです。それのやばいやつだと思ってもらえたら良いと思います。
SW2.5で、「簡単な依頼だよ、この荷物をマスターにまで運んで欲しい」と言われたら簡単な依頼な訳がないと思うのも、この物に関するカセと言うのが一般的に思考の中にあるのが原因だと思います。つまりは受け入れられやすいカセというわけですから、トレーラーなどにも書きやすいカセですよね。
でかいダイアモンドを運ぶシナリオ。それだけでなんかハラハラしそうで面白そうです。
- 貴重品
- 危険物
- 人物にとって意味のあるもの
- その他災難を招くもの
状況的なカセ
01.天候
天候というのは様々な場面で簡単に使える制約でありながら、普段の日常の中でもあたりまえのように感じているモノでありますから、感情移入がしやすいカセであるといえます。
台風や地震と行った災害も、大きなカセといえるでしょう。それによって動く物語はたくさんありますし、それだけで一つのシナリオが書けてしまいますね。
特に災害については、クトゥルフ神話TRPGでは使いやすい神様もいることですし、様々な場面で活躍することでしょう。カセが何であるかを作者が理解することで、物語の運びなどがとてもスムーズに行えると思います。
- 暴風雨
- 雨
- 雪
- 地震
- 火事
- 洪水
- ひでり
- 長雨
- 暑さ
- 寒さ
- 虫の発生
02.戦争下
戦争というのはテーマとしてはなかなか使いづらい部分がありますが、ファンタジーのシステムであれば割と簡単に扱えるものだと思います。
SW2.5をはじめ、モノトーンミュージアムRPGなどにも戦争中の国がありますね。シノビガミなどのシステムにも応用が利くことと思います。
- インフレ
- デフレ
03.社会不安
04.会社の状況
05.団体(宗教)
06.家族的状況
07.その人自身の状況
目に見えないモノによるカセ
とてもデリケートなカセの一つになるでしょう。
雰囲気や世論などは、特にシティ物のシナリオで用いることの出来るカセです。規模が大きくなりますが、ある組織の印象を落とさずに、事件を解決しなければならいシナリオなどがこれに当たりますね。
もしくは、宗教団体に関わるクトゥルフ神話TRPGなどでは、この目に見えないカセにがんじがらめになることも少なくないでしょう。そういうとき、このカセによって物語がどういったふうに面白くなるのかを理解することで、よりそのシナリオを楽しめることでしょう!
- 占い・予言
- 宗教的な圧力
- 雰囲気
- 脅迫
- コンピューターの指示
- 世論・噂・世間体
肉体的なカ
肉体というのは変えられないものです。
例えば、男女の体が入れ替わったりして起こる問題はこのカセに分類されますね。
病気や、欠損などのハンデを持つキャラクターが時に魅力的になるのも、このカセによるものだと考えます。苦難を乗り越える人物というのは、その他大勢とは大きく変わってくるのです。
- 肉体的なハンデキャップ
- 拷問
- 病気
- 顔の美醜からのコンプレックス
- 精神病
- 性格的なモノ
- 男であること、女であること
- 飢え
- 眠れない
その他のカセ
大きく分けることの出来ない様々なカセが世の中には存在します。
そういったカセを全て紹介するのは難しいですが、それぞれのカセを嵌めることで面白くなるシナリオがあるかもしれません。自分なりに見つけ出して、活用していただけると嬉しいです!
- 学問上のカセ
- 派閥のカセ
- つまらないカセ
- 面白さのためのカセ
- 心理的なモノのカセ
- 職業上のカセ
- お化け
- 物々しさ、威圧